2014年11月4日火曜日

第3回 ぼんぼり祭り スタッフトークショウ内容のまとめ

当時まとめていた記事が出てきたので掲載しておきます。

第3回は日中から生憎の大雨でしたが、その豪雨に一時阻まれながらも、永谷プロデューサー、安藤監督、堀川社長、そしてシリーズ構成の岡田麿里さんがトークショーを行ってくださいました。

第3回ぼんぼり祭では、花咲くいろはHSHのBDが先行発売ということで、HSHに関する内容に関して質問がなされました。
当日の朝には、永谷Pからtwitter上で質問募集という旨の告知があり、基本的には質問に答えていくという形式で行われました。
 
 ↑ 第1回と同様の会場で行われました

(以下、質問内容と回答の要約)

質問1: 劇場版から少し修正がかかっている部分の意図は?
安藤監督: 劇場版は一期一会だが、BDの場合は手元にいろはの劇場版が届くため、何回観ても大丈夫なようブラッシュアップした。
例えば、巴さんのほくろの位置を元に戻したとか。それが2、3箇所。某新宿の地下で行ったトークショウで指摘された箇所を直したり。汽車の年号の部分をより正確にしたり。バスを一台追加したり。その他色々。
皆さんが何回観ても鑑賞に耐えられるよう、一生の宝ものにできるよう、細かい箇所まで250カット程度修正した。
永谷P: 250カット、リテイクの箇所は300を超えていたが、一度しか観ていない人は分からないが、何十回と観た人であれば気づく箇所があるかもしれない。
ただ、劇場で流した物が完成途中だったということはない。ある種、中には贅沢リテイクと呼ばれるものもあり、「これ直すんですか監督。。。」というシーンも劇場版ということで見直してた。

ちなみに、永谷Pは鏡に映った巴さんのほくろ、4回めぐらいにバルト9で観た時に気づいたとのこと。

質問2: 劇場、26話と楽しませてもらったが、新作映像の予定はあるか
堀川社長: 僕も見たいが、今回の劇場版で監督もスタッフ一人一人もやりきったという感覚がある。
その中で、彼らの中から「もう一度作っても良いかな」という気持ちが溜まっていく、または僕らじゃない次の世代のスタッフが新しいいろはを作ってくれるのであれば、それは観てみたい。
なのでまったくゼロではないが、どのような形になるかは僕の中ではまだ形になっていない。
安藤監督: いろはには愛着もあり、やりきった感もある。しかし離れ難き愛着の大きい作品なので、軽くこうしようといった形は考えていない。
また、現実的な問題として、スタッフみな売れっ子で、何年か先まで予定が埋まっている。
岡田: (何か他にやってみたいことありますかという問いに対して)
担当した長い作品はハム太郎など数える程度。
今回2クールということでドラマ立てしたけれども、一話完結で色々な客が来る話もやってみたかった気持ちはある。
永谷P: 第一回ぼんぼり祭の際、スペシャルという形で発表した。
しかしこの企画も着地するまでにそれなりの時間を要した。本当にやって良いのかという点を吟味したのは事実であり、今ここでお客さんが多くいるのでやりましょうということではない。やるからにはスタッフ全員全力投球をしたい。
今回はPAworksの初原作、特に10周年記念企画という作品だった。
要望があり、ぼんぼり祭が残っている限り、花いろが終わるということではない。僕らが話をしていく中で、チャンスがあればということかと思う。

質問3: 新作映画を作る上でのこだわりは何かあったか
安藤監督: 映画は劇場まで行き、チケットを買って観る。そこまで来て頂けるお客様に満足して頂けるフィルムにしたいという気持ちがあった。
その中で、オール新作にしたいというのを一番に考えた。時間が少し短くなっても、花いろの良い所を詰め込んだ、劇場で観た時に花いろを好きで良かったと思って頂けるようにしたいと精神的な面ではこだわった。
永谷P: 最初26本で完結するとなり、その後スペシャルという形で発表したが、劇場版の中でTVシリーズの活かしたい点等、シナリオの面でこだわった点はあるか。
岡田: HSHっていうのが一番最初に付けた仮タイトルだった。
自分の中では、「仕事物」だけではなく、、家族というものを入れてみたいと思った。HSHという名前は一度却下されたが、その時に思った気分を書いてみたいというのはあった。そのため、本編の中に入れ込んだつもり。
「オハナ」という名前がハワイで「家族」の意味でしたり、その点で原点回帰ではないが、そのような気分があった。
堀川社長: 昔ならば劇場版作品は一生に一度チャンスがあるかというものだったが、最近は数が増え、それだけチャンスが貰えるようになった。
その中で流されるというか、忙しい中で作ることで流されがちになる。
しかし、後から振り返った時、劇場作品をやれるチャンスというのはありがたいということをひしひしと感じるもの。
次の作品を作る時にも、いい加減な、軽い気持ちで劇場版作品を作ろうという気持ではなく、劇場を作るということは、みんなの気持ちがグッと、「これを一本、一生懸命仕上げるんだ」というもの。
宮崎さんなどは命がけで一本一本作っていく人だが、劇場版はそういうものだと思う。
軽い気持ちで、忙しさに流されず、このチャンスをありがたく思って作っていけたらと思う。
永谷P: 今回の劇場版が66分という尺だが、テレビが20分少々。
ただ、単純にその三倍作れば良いといいうことではなく、作るからにはカロリーも、三倍どころではなく跳ね上がる。
そういったことに関して、手を抜かない、ファンの方々に喜んでもらえる、そして僕らが信じた花咲くいろはをやりきるということかと思う。

質問4: 第四回のぼんぼり祭りはあるか?
永谷P: あります。
基本的に、ぼんぼり祭というものはイベントという位置づけではない。
湯涌の町にぼんぼり祭というものが、僕が死んだ後も残っていれば良いという覚悟をもって始めた。
そのため、四回目なのでそろそろ終わるというものではないと考えて頂ければ。

質問5: 新作の映画で、緒花にスポットを当てるのではなく、皐月にスポットを向けた意図は?
岡田: 全員にスポットを当てたとして、全体として劇場版の雰囲気を作っていく時、しかし誰か1人キラキラしてるヒロインが欲しいなと思った。
各キャラクターを、幾つものラインを繋げていく時の一つ接着点。
劇場版というTVシリーズの途中の話だが、花咲くいろはというタイトルなので、ある意味花咲いた少女の瞬間の話を書いてみたかった。
劇場版では、皐月はああいう咲き方だが、咲くまでの足がかりができてる状態で終われたのかなと思っている。
永谷P: 新しいヒロインという意味で、緒花との対比構造とかもあったのかとプロデュサーの立場からは見えた。

質問6: 苗字はこの地域の地名だと分かるが、名前の由来はあるか?
岡田: 緒花は家族からきている。民子は「子」が付く名前が好きでなため。
永谷P: 民子という名前はわりと古風だが何か意図はあるか?
岡田: 自分がシナリオ書く時、名前の変化とかは気になる。
例えばどこで「ちゃん」呼びが呼び捨てになるのか、あだ名つけるのかといった関係図書くのが好きだ。
あだ名、たしかメンチを食べていたと思う。
永谷P: なるほど、民子という名前の前に、「みんち」というあだ名が先にあったということ。
岡田: 「なこち」はなんか「なこち」とつけた。
そのあとの「きもなこち」は、なにか降りてきた感じ。かなり偶然だった。
永谷P: 全キャラ岡田さんが名を付けたんでしたか?
岡田: 西村さん(西村純二: 同社作品true tearsの監督 花いろTVシリーズでは脚本、コンテ、演出で参加)の回のキャラ、伊佐美 轍夫に関しては西村さんが付けた。
安藤監督: あと、菜子の家族は18話の時に「ともや」「まな」と篠原さん(篠原俊哉: 同社作品凪のあすからの監督 花いろTVシリーズではコンテ、演出で参加)が名づけた。
岡田: 篠原さんが唐突に。別の作品になるが、凪のあすからで「まなか」という名は篠原さんが「まな」と付けてくれたため。
篠原さんと安藤さんへの愛をミックスさせた感じ。

質問7: 第3回となり、地域に馴染んできたが今後グッズやタイアップといった計画はあるか?
永谷P: 僕自身、特定の舞台を使用させていただく場合、刹那的、例えば今日、湯涌に来てほしいということではない。
どちらかといえば5年、10年先のことを実は考えている。
この中にご結婚されてる方、子供がいらっしゃる方がいると思うが、例えば、10年後に結婚をしていて、子供がいて、家族で旅行に行こうといった時、「そういえば昔見ていたアニメに湯涌温泉があったな」という、そうした体感したことによる記憶を、花咲くいろはという作品を思い出して欲しい。
確かにtwitter等でも、湯涌の町等にもっとポスター貼らないのかと聞かれることがある。しかし、基本的にはやらないと答えてる。それはなぜかというと、作品の中の風景というものと、現実の風景が著しく乖離してしまっては、例えば10年後に来た時、なにか違うなとなるのは嫌だなという気持ちがある。
色々なお声がけをされることは確かにあるが、ファンの皆さんに喜んでもらえ、これであれば地元の方にも受け入れてもらえるのではないかというものを選びながらやってるというのが本音の一つ。
色々なお声がけをされることが増えたのは事実なので、今後できることはやっていきたい。第4回の話をしたが、イベントではないけれども、花咲くいろはというものに触れてもらえる機会というのは可能な限り取り組んでいきたいとプロデュサーサイドとしては考えている。これはtrue tearsもそう。

質問8: 今回の劇場版で一番観て欲しいシーンは?
岡田: 最後の皐月が走りだすシーンの台詞は、号泣しながら書いた。ここまで号泣しながら書いたのは久しぶり。私も走り出さないと、と思ったのでそこが一番好きだ。
永谷P: ラストの緒花が生まれたところから。
僕はHSHのダビング作業中に子供が産まれた。シナリオ会議に出ていた時と、産まれてからHSHを視た時とでは全然イメージが違っていた。今回BDを買った方たちは、長く手元に置いて、人生の変化があった時に見返していただけたらと思う。

最後に各スタッフからの挨拶で終了。
以上。
永谷Pの舞台に対する考え方は以前から他のイベントでも話されていますが、とても素敵なフィロソフィーだと思います。
永谷Pのプロデュースされてるアニメの舞台に、思わず足を運んでしまうのも、こういった理念でアニメを作っているからかもしれません。
次は洞爺湖に天メソ探訪したいですが、冬は絶対に嫌なので夏まで待ちます。

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