2015年9月23日水曜日

【SHIROBAKO】SHIROBAKOスペシャルイベント ~どんどんドーナツ、ど~んといこう!~  スタッフトークショーまとめ

9月20日、神奈川芸術劇場で行われた、SHIROBAKOスペシャルイベント ~どんどんドーナツ、ど~んといこう!~ に行ってきました。


内容は、
・ 声優トークショー
→ 好きなシーンを挙げていきながらトーク
・ 朗読劇
→ コミック版SHIROBAKOの台詞に声をあて
・ スタッフトークショー
・ OP・EDライブ
という流れ。

当日は色々な方からも花が
みゃーもりの痛車も
本記事では、スタッフトークショーの内容を記載いたします。
スタッフトークショーでは、
株式会社インフィニット 代表取締役 永谷敬之 さん
株式会社 P.A.WORKS 代表取締役 堀川憲司 さん
ワーナー エンターテイメント ジャパン株式会社 川瀬浩平 さん
以上のお三方が登場し、事前に公式HPで受付が行われていた質問に回答をされました。

お三方ともサービス精神旺盛で、かなり刺激的なワードも飛び交いました。
本記事ではトークの意図から逸脱せぬよう、メモが不十分な箇所については公開していません。
細かな掛け合いについては削除していますが、大まかな流れは補完できていると思います。
以下に記録として内容を記載致します。

午前、午後の部で異なる質問の回答を行ったそうですが、以下内容は午後講演の内容です。

質問①
SHIROBAKOで印象的な台詞「万策尽きた」だが、本編製作中にそのような自体はあったか?
堀川P: 実際に尽きたのは第三飛行少女隊。
川瀬P: コンテが上がった段階で、監督が「あれは終わるのですかね?」と遠い目をしていた。
堀川P: あれは私のミスだった。3Dの戦闘機が作業的にあれほど重いと思わなかった。
もっと内容を軽くすべき等判断出来るだけの経験値があれば良かった。
ただ、監督は戦車の経験でそれを知っていたはずだ(笑)
※ 注釈
説明は不要だろうが、水島努監督はガールズ&パンツァーの監督である
永谷P: 監督は地面を走るものと飛ぶものは違うといっていたが。。。
しかし、現場は常に万策尽きそうだった。
本作は年末年始を挟んでいたので、年末進行、年明け進行、海外の旧正月等、様々な修羅場を迎えるイベントがあった。
堀川P: アニメ業界では2月の旧正月に動画と仕上げが完全に止まる。
多くの会社が万策尽きそうになる。
川瀬P: ギリギリになって予算が足りなくなりそうだった。
永谷P: お金の話はやめましょう(笑)

質問②
仁義なきオーディション会議はどれだけリアルな話なのか?
永谷P: 私は12年間、政治的なキャスティングを経験したことはない。
普通にオーディションをするので、本作等もフレッシュな声優になる。
堀川P: 私もないが、監督はあると(笑)
川瀬P: 監督とは10年仕事しているが、あのようなことは無かった。
堀川P: あそこだけにスポットを当てなくとも、他にスポットを当てるべき部分があった。
例えば主役が決まった際、他のキャラクターの声優がイメージと合っていたとしても、掛け合いで声質が被らないように配慮する。そういった部分を描ければよかった。
永谷P: 作中では年齢について言及しているシーンがあったが、そういったこともない。
監督は嫌なことでもあったのですかね?(笑)
川瀬P: オーディションの声優なんて皆上手い。
あとはキャラクターに合っているか。
掛け合い等の運が大きい。あとはスケジュール。
永谷P: オーディションで声優に配られる資料は限られている。その限られた資料から役を読み取る必要がある。原作モノ以外は。
どこまでキャラクターを汲み取れるかの勘所が重要。
川瀬P: そこはベテランは上手い。悔しいが、こちらのイメージに近い演技を作ってくる。

質問③
こだわりのシーンは?
堀川P: どうしてもやりたかったシーンは12話の杉江さん回。
ベテランを中心に若手が一丸となり、現場が一体となる空気感。
ベテランから若手へ、作り手の高揚感や素晴らしさが継承されるシーンは残しておきたかった。
川瀬P: 私は2話のポスター(笑)。
※ 注釈
武蔵野アニメーションや夜鷹書房に貼られていたパロディーポスターのこと
永谷P: 作品名は避けるが、もっとヤバイポスターはたくさんあった。
監督が現場をそそのかし、完全にアウトな画を持ってくる(笑)
川瀬P: アウトな画をチェックする横で「これアウトですよね」と監督が言ってくる(笑)
永谷P: 犯罪にならないようにこだわりました(笑)

質問④
プロデューサーになるために必要なもの、するべきことはなんですか?
永谷P: コミュニケーション能力を高める。
人見知りをしてると損をする。鬱陶しいぐらいアクションをしないとプロデューサーになるのは難しい。
急に図々しくなるのは難しいので、まずコミュニケーション能力を高めるべき。
それから、人に物事を伝達する上手さ、楽しみを伝える上手さが必要。
アニメは作った後、多くの人に見てもらい、評価を受ける。
魅力を伝える能力は社会に出てからも重要。
業界は人が少ないので歓迎する。

この中で私のアスキーのインタビューを読まれた方いますか?
アニメ業界を志すひとは参考に是非。
やらないで後悔するよりも、やって後悔したほうが良い。
※参考
ASCⅡ.jpより
渡辺由美子の「誰がためにアニメは生まれる」 第38,39回にて永谷Pのインタビューが掲載されています。
参考HP:
渡辺由美子の「誰がためにアニメは生まれる」 ― 第38回
渡辺由美子の「誰がためにアニメは生まれる」 ― 第39回

堀川P: アニメという企画は1人では出来ない。
私も原画1つ書けないが、こういうことをしたいんだ、このアニメはここが面白いのだ、
前向きに、同じ志を持った周りの人をどんどん巻き込みチームにしていければ、形になると思う。
永谷P: エンターテイメント産業は作り手が楽しいと思わなければ、ファンへ伝播しない。
川瀬P: アニメ以外の映像や本、違うメディアに触れることで、表現の幅を広げることが出来る。
アニメ以外に目を向けることも大切。

質問⑤
水島監督の最も悪質なイタズラはなにか?
永谷P: 脱獄や戦車がこんなに近くにあるとは思っていなかった。特に戦車。
これは監督にも直接言った。
堀川P: 水島監督は頭の切れる監督なので、ラインPに監督と駆け引きをするなと話した。
こちらの情報をオープンにして、監督の作りたいものを共に作るのだという気持ちを感じてもらえと話した。
すると、最終巻のオーディオコメンタリーで「堀川さんを丸め込むのは簡単だった」と言われた(笑)
※注釈
SHIROBAKO最終第8巻での監督のコメント。
当該巻では、22話~24話について、水島努監督と水島精二監督がコメンタリーを入れている。
非常に面白い内容なので、興味のある方は是非ご購入を。
永谷P: 色々なインタビュー等対応するが、水島監督の腹が読めない。
川瀬P: 基本目が笑ってないですからね(笑)
ただ、監督はお客さんに対してはとても真摯な方だ。
面白いフィルムを届けなければならないという使命感がある。
監督としてDVD、BDの売上を気にする人は珍しい。

永谷P: 他にも多くの質問を頂いているが、本日はここまで。
秋祭りで延長戦を行うので、無料イベントということで足を伸ばしていただければ。

メモ内容については以上です。
実際はもっと細かなお話がありましたが、大枠をコンプリートするのが限界でした。
不足点、不備等あれば連絡頂ければ幸いです。

個人的に、声優さんのお話以上に、スタッフの方のお話が好きなので、
トークショーが聞けて本当に楽しかったです。
無料イベントの秋祭りにて後半戦が行われるとのことですので、興味のある方は是非。

以上

【イベント日: 2015年9月20日】